埼玉県内の小児病院で、死亡した患者から投与されるはずのない抗がん剤「ビンクリスチン」が検出されていたことが3月11日、明らかになった。医療事故の可能性が高く、病院側は詳細な調査を進めている。
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ビンクリスチンとは
抗がん剤の一種であるビンクリスチンは、白血病などの治療に使用される薬剤だが、投与方法を誤ると重篤な副作用を引き起こす危険性がある。特に髄腔内(脊髄の周囲)への誤投与は致死的な結果をもたらすことが知られており、過去にも死亡事例が報告されている。
今回のケースでは、本来この薬剤を投与する治療計画ではなかったにもかかわらず、死亡した患者の体内から検出された。取り違えや指示ミスなど、複数の要因が重なった可能性が指摘されている。
小児医療への不信感が拡大
小児病院での医療事故は、子どもの命を預ける保護者にとって最も恐れる事態だ。今回の事案を受けて、同病院には問い合わせや不安の声が殺到しているという。
医療安全の専門家は「薬剤の取り違え防止システムが機能していなかった可能性がある」と指摘。ダブルチェック体制の形骸化や、電子カルテシステムの運用ミスなど、複合的な要因を調査する必要があるとしている。
ネット上で怒りの声
「あってはならないミス」「なぜチェック体制をすり抜けたのか」といった怒りの声がSNS上で広がっている。また「他の病院でも起きているのでは」と、医療機関全体への不信感を示す意見も見られる。
厚生労働省は同様の事故の再発防止に向け、全国の医療機関に注意喚起を行う方針だ。

