大阪地裁は3月13日、交際相手の生後4カ月の女児を揺さぶり、硬膜下血腫などのけがを負わせたとして傷害罪に問われた男性に対し、無罪判決を言い渡した。
「揺さぶられっ子症候群(SBS)」をめぐる無罪判決は、先週の福岡地裁、今週の宇都宮地裁に続き、わずか1週間で3件目となる異例の事態だ。
判決では、女児に硬膜下血腫などの傷害が生じた事実は認められたものの、被告の男性が揺さぶった行為との因果関係を立証できないと判断された。弁護側は「短時間の揺さぶりでは重篤な症状は起きない」とする専門家の意見を提出し、これが採用された形だ。
揺さぶられっ子症候群は、乳幼児を激しく揺さぶることで脳に損傷を与える虐待行為として知られてきた。しかし近年、医学的根拠の再検証が進み、「揺さぶりだけで重篤な症状が生じるのか」について議論が起きている。
連続する無罪判決について、児童虐待防止に取り組む専門家からは「冤罪を防ぐことは重要だが、虐待の立証がさらに困難になる」との懸念が示されている。一方で弁護士らは「科学的根拠に基づかない有罪判決こそ問題」と主張する。
検察側は判決内容を精査した上で控訴を検討するとみられる。SBSをめぐる医学的・法的議論は、今後も続きそうだ。
虐待事件の立証には慎重な科学的検証が求められる一方、子どもの命を守るための迅速な対応も必要という、難しいバランスが問われている。

