インド政府は、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の経済成長率が7.2%に達するとの見通しを発表しました。中国の成長が鈍化する中、インドが世界経済の新たな成長エンジンとして注目を集めています。
成長の要因
インド経済の成長を支えているのは、複数の要因があります。
第一に、内需の拡大です。14億人を超える人口を背景に、消費が堅調に伸びています。特に、中間層の拡大により、自動車や家電製品などの消費が増加しています。
第二に、製造業の成長です。政府が推進する「メイク・イン・インディア」政策により、製造業への投資が増加しています。スマートフォンや自動車などの製造が拡大し、雇用も創出されています。
第三に、デジタル化の進展です。インドは、デジタル決済やオンラインサービスが急速に普及しており、デジタル経済が成長を牽引しています。
中国との比較
インドの経済成長は、中国の成長が鈍化する中、世界経済にとって重要な存在となっています。中国の2025年の成長率は5%前後と予想されており、インドの成長率を下回っています。
ただし、インドのGDP(国内総生産)は、まだ中国の約5分の1の規模です。インドが中国に追いつくには、まだ時間がかかると見られています。
日本企業の進出
インドの経済成長は、日本企業にとっても大きな機会です。自動車メーカーや電機メーカーなど、多くの日本企業がインドに進出しています。
インドは、人口が多く、若年層の割合が高いため、長期的な成長が見込めます。日本企業は、インド市場を重要な成長市場として位置づけています。
一方で、インドでの事業展開には、規制の複雑さやインフラの未整備などの課題もあります。日本企業は、こうした課題を克服しながら、インド市場での事業を拡大しています。
課題とリスク
インド経済の成長には、いくつかの課題もあります。
第一に、インフラの未整備です。道路や電力などのインフラが十分でない地域もあり、経済成長の足かせとなっています。
第二に、所得格差の問題です。経済成長の恩恵が、すべての国民に行き渡っているわけではありません。都市部と農村部の格差、富裕層と貧困層の格差が課題となっています。
第三に、地政学的リスクです。インドは、中国やパキスタンなどとの関係が複雑で、地政学的なリスクが存在します。
今後の展望
インド経済は、今後も高い成長を続けると予想されています。政府は、2030年までにGDPを5兆ドルに引き上げる目標を掲げています。
世界経済の成長エンジンとして、インドの存在感はますます高まると見られています。日本を含む各国は、インドとの経済関係を強化していく方針です。
参考: ロイター、日本経済新聞、インド政府統計(2026年3月4日)

