医療のデジタル化(医療DX)が加速しています。オンライン診療の拡大や、電子カルテの普及など、デジタル技術を活用した医療サービスの提供が進んでいます。特に、地方の医療格差解消への期待が高まっています。
オンライン診療の拡大
オンライン診療は、インターネットを通じて、医師と患者が遠隔で診療を行うサービスです。コロナ禍で急速に普及し、2025年には、オンライン診療を実施する医療機関が前年比50%増の約3万機関に達しました。
オンライン診療のメリットは、患者が自宅にいながら診療を受けられることです。特に、地方在住の患者や、移動が困難な高齢者にとって、大きな利便性があります。
また、医師にとっても、オンライン診療は効率的です。診療時間の調整がしやすく、患者の待ち時間を減らすことができます。
電子カルテの普及
電子カルテは、患者の診療情報を電子化して管理するシステムです。2025年には、電子カルテを導入する医療機関が全体の約80%に達しました。
電子カルテのメリットは、診療情報の共有が容易になることです。複数の医療機関で、同じ患者の診療情報を共有できるため、診療の質が向上します。
また、診療情報の分析も容易になります。ビッグデータを活用し、病気の予防や治療法の改善に役立てることができます。
地方の医療格差
日本では、地方と都市部で医療格差が存在します。地方では、医師や医療機関が不足しており、患者が適切な医療を受けられないケースがあります。
医療DXは、この医療格差を解消する可能性があります。オンライン診療により、地方在住の患者も、都市部の医師の診療を受けられるようになります。
また、AIを活用した診断支援システムにより、地方の医療機関でも、高度な診断が可能になる可能性があります。
AI診断支援システム
AIを活用した診断支援システムは、画像診断や病理診断などで活用されています。AIが、X線画像やCT画像を分析し、病気の可能性を提示します。
AI診断支援システムは、医師の診断を支援するものであり、医師に取って代わるものではありません。しかし、AIの支援により、診断の精度が向上し、診断時間も短縮できます。
地方の医療機関でも、AI診断支援システムを導入すれば、高度な診断が可能になります。これにより、地方の医療格差が解消される可能性があります。
プライバシーとセキュリティ
医療DXの推進には、プライバシーとセキュリティの確保が重要です。診療情報は、個人の機密情報であり、適切に保護する必要があります。
政府は、診療情報の保護に関するガイドラインを策定し、医療機関に適切なセキュリティ対策を求めています。また、診療情報の共有には、患者の同意が必要です。
課題と展望
医療DXの推進には、いくつかの課題があります。
第一に、高齢者のデジタルリテラシーです。高齢者の中には、デジタル技術に不慣れな人もおり、オンライン診療を利用できないケースがあります。
第二に、医療機関のIT投資です。医療DXを推進するには、医療機関がIT投資を行う必要があります。しかし、中小の医療機関には、IT投資の余裕がない場合もあります。
第三に、法規制の整備です。オンライン診療や電子カルテの普及には、法規制の整備が必要です。政府は、法規制を整備し、医療DXを推進しています。
それでも、医療DXは、医療サービスの質を向上させ、医療格差を解消する可能性があります。今後も、医療DXの推進が期待されます。
参考: 日本経済新聞、厚生労働省(2026年3月4日)

