台湾の行政院長(首相に相当)が3月9日、東京ドームで開催されたWBC日本対オーストラリア戦を観戦したことが明らかになり、国際政治上の波紋を呼んでいる。日台断交後、台湾の現職行政院長が日本を訪れるのは初めてとされており、歴史的な出来事となった。
中国外務省は即座に反発し、在中国日本大使館の金杉大使を呼び出して抗議。王毅外相は会見で「日本は何の資格があって干渉するのか」と述べ、日本政府の対応を強く批判した。また「日中関係の行方は日本の選択次第」「日本の選択にかかっている」と繰り返し、日本側に圧力をかける姿勢を鮮明にした。
中国メディアも「高度に警戒」する論調で報道。高市首相の台湾有事に関する国会答弁にも改めて反発しており、日中関係の冷え込みが鮮明になっている。
一方、台湾側は今回の訪日について公式なコメントを控えているが、SNS上では「スポーツ外交の成功例」「中国の圧力に屈しない姿勢を評価」といった声が上がっている。日本国内でも「スポーツに政治を持ち込むべきではない」という意見と「台湾との関係強化は重要」という意見が分かれている。
今回の訪日が事前に日本政府と調整されていたのか、それとも台湾側の独自判断だったのかは明らかになっていない。ただ、WBCという国際的なスポーツイベントを利用した「静かな外交」として、今後の日台中関係に影響を与える可能性が高い。
高市政権は外交方針の明確化を迫られることになりそうだ。

