中東情勢の緊迫化を受けたガソリン価格の大幅上昇が予測されるなか、秋田県内のガソリンスタンドに給油待ちの車が長い列を作る事態となっている。一部の店舗では購入制限を設けるなど、異例の対応が取られている。
駆け込み需要で大混乱
政府は3月16日にも石油備蓄の放出を決定し、ガソリン価格を1リットル170円に抑制する方針を示したが、それでも現在の価格から大幅な値上げとなる見通しだ。専門家の間では「来月には235円に達する可能性もある」との予測も出ており、消費者の不安は高まるばかりだ。
こうした状況を受け、秋田県内のガソリンスタンドには朝から給油待ちの車が殺到。あるスタンドの店長は「こんなに混雑するのは東日本大震災以来」と驚きを隠せない様子だ。
「今のうちに満タンに」購入制限も
混雑が激しい店舗では、1台あたりの給油量を制限する動きも出始めている。「お一人様50リットルまで」といった張り紙を掲げる店舗もあり、大型車のドライバーからは不満の声も上がっている。
給油に訪れた40代の男性は「毎日車通勤なので、少しでも安いうちに入れておきたい。これ以上上がったら生活が成り立たない」と不安を口にする。また、農業を営む60代の男性は「農機具の燃料代も馬鹿にならない。235円になったら経営に響く」と厳しい表情だ。
全国に波及の可能性
秋田だけでなく、全国各地で同様の駆け込み需要が発生する可能性が高い。すでに東北地方の他県や北海道などでも、ガソリンスタンドの混雑が報告されている。
石油業界関係者は「備蓄放出である程度は抑えられるが、中東情勢が落ち着かない限り、価格上昇圧力は続く。消費者の不安心理が需要を押し上げ、一時的な品薄も懸念される」と指摘する。
政府は16日の備蓄放出に加え、さらなる価格抑制策を検討しているが、根本的な解決には中東情勢の安定化が不可欠だ。当面は価格の高止まりが続く見通しで、家計への影響が懸念されている。
ガソリン価格の動向は、地方で車が生活の足となっている地域ほど深刻な問題だ。今後の政府の対応と中東情勢の推移に、国民の注目が集まっている。

