農林水産省が実施した2026年産の主食用米に関する作付け意向調査で、前年比で減産となる見通しが明らかになった。コメ価格が乱高下するなか、生産現場では先行きへの不安が広がっている。
1月末調査で減産傾向が判明
農水省が1月末に実施した調査によると、2026年産の主食用米の作付け意向面積は、前年を下回る結果となった。具体的な数値は今後精査されるが、農家の高齢化や後継者不足に加え、ここ数年のコメ価格の不安定さが生産意欲を削いでいる実態が浮き彫りになった形だ。
近年、コメの需要は人口減少や食生活の多様化により減少傾向が続いている。一方で、2024年の猛暑による不作で価格が急騰するなど、需給バランスが崩れやすい状況が続いている。
「JA都合」で価格が乱高下
専門家からは、コメ価格の乱高下の背景に「JA都合の流通構造」があるとの指摘も出ている。ある米流通の専門家は「価格が上がるのも下がるのもJA都合。暴落は今年9月と断言できる」と語り、現在の流通システムの問題点を指摘している。
生産者側は「高く売れると思って増産すれば暴落し、減産すれば価格が上がる。まるでギャンブルのようだ」と不満を募らせる。こうした価格の不安定さが、若手農家の参入を妨げ、さらなる減産を招く悪循環に陥っているという。
食料安全保障への懸念も
主食用米の減産は、日本の食料安全保障にも影響を及ぼしかねない。国際情勢が不安定化するなか、食料自給率の低下は国家的なリスクとも指摘されている。
農水省は「適正な生産量の確保と価格の安定化に向けた施策を検討していく」としているが、具体策は見えていない。ある農業経済学者は「需給調整のシステムを抜本的に見直すとともに、生産者が安心して米作りに取り組める環境整備が急務だ」と指摘する。
消費者への影響は
減産により、今後コメの価格が再び上昇する可能性もある。ただし、前述の専門家が指摘するように「9月に暴落する」というシナリオもあり、予測は難しい状況だ。
消費者にとっては、価格の安定こそが最大の関心事だ。「毎日食べるものだから、安定した価格で買いたい」という声は切実だ。生産現場の疲弊と消費者ニーズのギャップを埋める政策が求められている。
日本の食卓を支える主食用米。その生産現場が岐路に立たされている。

