2026年3月9日、週明けの東京株式市場は激しい値動きに見舞われた。日経平均対象のCFDは前週末から3000円超の下落を記録し、投資家の間に緊張が走ったが、その後は持ち直しの動きも見せている。
下落の主因は中東情勢の緊迫化だ。イランとサウジアラビアの対立が激化し、サウジはイランのエネルギー部門への攻撃が続けば報復すると警告。米軍はイランが住宅密集地からミサイルやドローン攻撃を実施していると指摘し、巻き込み防止のためイラン国民に「自宅待機」を求める異例の事態となっている。
さらにトランプ政権がイランのウラン押収を目的とした地上作戦を検討しているとの報道も流れ、市場の不安心理を煽った。この影響で原油先物価格は100ドルを突破し、エネルギー価格の高騰が世界経済に打撃を与える懸念が広がっている。
6日の米国株式市場も続落。弱い雇用統計や原油高を嫌気し、投資家のリスク回避姿勢が強まった。為替市場ではドルが158円付近まで上昇し、主要10通貨に対して小幅上昇するなど、安全資産への逃避の動きも見られた。
しかし興味深いのは、日経平均が5万5620円という高値圏を維持している点だ。一部では「中東の急落を跳ね返した『買い』の正体」として、国内機関投資家や年金資金の押し目買いが入っているとの分析もある。日本企業の業績が底堅いことに加え、円安メリットを享受できる輸出企業への期待が背景にあるとされる。
ただし市場関係者の間では「中東情勢が更に悪化すれば、再び大幅下落の可能性もある」との警戒感も根強い。特にイランとの軍事衝突が現実化すれば、原油価格の更なる高騰とサプライチェーンの混乱が予想され、世界経済全体に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
中国の王毅外相は「軍事行動の即時停止」を求める声明を発表し、米中首脳は「良好な交流維持」で一致したとされるが、緊張緩和への道筋はまだ見えていない。投資家は中東情勢の展開を注視しながら、慎重な投資判断を迫られている。

