規制の虜とは、本来は企業を監視・規制する立場にある政府機関が、逆に規制される側の企業に取り込まれてしまう現象のことです。英語ではRegulatory Captureと呼ばれます。
わかりやすく説明すると、警察官が犯罪者と仲良くなりすぎて、取り締まりが甘くなってしまうような状態です。規制機関と企業の間には、本来は緊張関係があるべきなのに、いつの間にか企業の利益を優先するようになってしまうのです。
この現象が起きる理由はいくつかあります。規制機関の職員が退職後に規制していた企業に就職する慣行(天下り)があったり、業界団体から政治献金を受けたり、専門知識を持つ人材が業界と規制機関を行き来したりすることで、両者の境界が曖昧になります。また、規制機関が業界の情報に依存しすぎることも原因の一つです。
規制の虜が起きると、消費者や一般市民の利益が損なわれる可能性があります。安全基準が緩和されたり、不正が見逃されたり、新規参入が不当に妨げられたりします。
金融危機や公害問題など、多くの社会問題の背景に規制の虜があったと指摘されています。透明性の確保や独立性の維持が、この問題を防ぐ鍵となります。
目次

