コストプッシュインフレとは、商品やサービスを作るためのコストが上がることで、物価全体が上昇する現象のことです。プッシュは「押し上げる」という意味で、コストが物価を押し上げるインフレ(物価上昇)という意味になります。
具体的には、原材料費や人件費、エネルギー価格などが上がると、企業はその分を商品価格に転嫁せざるを得なくなります。例えば、石油価格が高騰すると、ガソリンだけでなく、輸送費やプラスチック製品の価格も上がります。すると、スーパーで売られている食品や日用品の値段も上がってしまうのです。
このタイプのインフレは、需要が増えて物価が上がる「ディマンドプルインフレ」とは異なります。コストプッシュインフレでは、消費者の購買意欲が高まっていなくても物価が上がるため、家計にとっては厳しい状況になりがちです。給料が上がらないのに物価だけが上がるという「悪いインフレ」になる可能性があるからです。
近年では、原油価格の高騰や円安による輸入コストの上昇、コロナ禍による供給網の混乱などが、日本でもコストプッシュインフレを引き起こす要因となっています。このような状況では、政府や中央銀行がどのように対応するかが重要な課題となります。
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