高市早苗首相は5日の衆院本会議で施政方針演説を行い、「経済安全保障の強化」と「持続的な賃上げの実現」を今年度の最重点課題として掲げました。防衛費の増額継続やAI・半導体への大規模投資も明言し、日本の国際競争力強化に向けた政策の全体像を示しました。
演説の主要ポイント
高市首相は演説の冒頭で「日本を取り巻く安全保障環境は、かつてなく厳しさを増している」と述べ、防衛費を2027年度までにGDP比2%に引き上げる方針を改めて確認しました。
経済面では、2026年春闘での賃上げ実現を「物価上昇を上回る賃金増」として強く後押しする姿勢を示し、中小企業への支援策も拡充する方針を表明しました。
AI・デジタル投資の加速
演説では、AI・半導体分野への国家投資を「今後5年間で10兆円規模」に拡大する計画も明らかにされました。昨年末に閣議決定した「人工知能基本計画」の実行加速を宣言し、「日本を世界最先端のAI活用国家にする」と力強く語りました。
また、行政のデジタル化を一段と加速させるため、マイナンバーカードの活用拡大と行政手続きの完全オンライン化を2027年度までに実現する目標も示しました。
外交・安保方針
外交面では、3月19日に予定される日米首脳会談に向けて「日米同盟の一層の強化」を最優先課題として位置づけました。トランプ政権が課す関税問題については「粘り強く交渉を続ける」と述べるにとどめ、具体的な対応策の提示は首脳会談後に持ち越す形となりました。
中東情勢については「停戦に向けた外交努力を全力で支援する」と述べ、人道支援の拡充も表明しました。
野党の反応
立憲民主党の枝野幸男代表は演説後の記者会見で「防衛費増額の財源が不明確で、国民への説明が不十分だ」と批判。日本維新の会も「賃上げ支援策の具体性に欠ける」と指摘しました。
各党の代表質問は今週中に行われる予定で、予算案審議と並行して激しい論戦が続く見通しです。
参考: NHK、時事通信(2026年3月5日)

