政府は13日、市販薬と成分や効果が似ている医療用医薬品、いわゆる「OTC類似薬」について、患者に追加負担を求める健康保険法改正案を閣議決定した。医療費抑制が目的だが、家計への影響を懸念する声も上がっている。
OTC類似薬とは、処方箋がなくても薬局で購入できる市販薬(OTC医薬品)と、成分や効果がほぼ同じ医療用医薬品のこと。代表例として、胃薬、湿布、ビタミン剤、うがい薬などが挙げられる。これらは現在、健康保険が適用されており、患者負担は1〜3割で済んでいる。
改正案では、こうしたOTC類似薬について、通常の窓口負担に加えて「定額負担」を新設。具体的な金額は今後検討されるが、1回の処方につき数百円程度の追加負担になる可能性が高い。厚生労働省は「市販薬で対応できるものは市販薬を使ってもらい、医療費全体を抑制する」と説明している。
この改正により、年間約1000億円の医療費削減効果が見込まれるという。高齢化で膨らみ続ける医療費を抑える狙いがあるが、頻繁に通院する高齢者や持病を抱える患者にとっては、負担増となるのは避けられない。
ネット上では「結局患者にツケが回ってくる」「市販薬の方が高くつくこともあるのに」と不満の声が続出。特に慢性疾患で定期的に湿布や胃薬を処方されている人からは、「年間で数万円の負担増になる」との試算も出ている。
一方、医療関係者からは一定の理解も示されている。「本来は市販薬で済むものを、安いからと病院で処方してもらう患者が多い。医療資源の適正利用という観点では意味がある」との声も。
ただし、問題点も指摘されている。市販薬は医療費控除の対象外であり、実質的な負担はさらに大きくなる可能性がある。また、何がOTC類似薬に該当するのか、患者には分かりにくいという課題もある。
日本医師会は「患者の受診抑制につながらないよう、丁寧な説明と周知が必要」とコメント。制度の詳細設計や、低所得者への配慮なども今後の焦点となりそうだ。
法案は今国会で審議され、可決されれば2027年度からの施行が予定されている。日常的に病院を利用する人にとっては、家計管理の見直しが必要になるかもしれない。

