ネット利用に必須なのに「迷惑施設」扱い
インターネットやクラウドサービスを支える重要インフラである「データセンター」が、各地で建設反対運動に直面している。騒音や電力消費の大きさから、住民にとっては「迷惑施設」とみなされるケースが増えており、建設計画をめぐるトラブルが相次いでいるという。
データセンターとは、膨大な数のサーバーを設置し、24時間365日稼働させることでインターネットサービスを支える施設。SNS、動画配信、オンラインゲーム、クラウドストレージなど、現代人が日常的に利用するあらゆるサービスの基盤となっている。
24時間稼働の冷却装置が騒音源に
問題となっているのは、主に騒音と電力消費の2点だ。データセンターは大量のサーバーが発する熱を冷却するため、巨大な冷却装置を24時間休むことなく稼働させる必要がある。この冷却装置から発生する低周波音が、周辺住民の睡眠障害や健康被害の原因になっているという訴えが相次いでいる。
また、電力消費も深刻な問題だ。大規模なデータセンター1施設の電力消費量は、小規模な市町村の全世帯分に匹敵するとされており、地域の電力供給に影響を与えかねないという懸念も出ている。
「使う側」と「近隣住民」の溝
SNS上では「データセンターなしではネットもスマホも使えないのに」「反対している人もネット使ってるんでしょ?」といった声がある一方、「実際に近くに住んでみればわかる」「騒音は本当にひどい」という住民側の訴えも。
専門家は「データセンターは社会に不可欠なインフラだが、立地選定や騒音対策、地域への説明が不十分なケースが多い」と指摘する。特に人口密集地近郊での建設計画では、事前の十分な説明と対策が求められるという。
政府は国産半導体の売上高目標を「2040年に40兆円」と掲げ、デジタル産業の強化を進めているが、こうしたインフラ施設の立地問題は今後さらに深刻化する可能性がある。便利なネット社会の裏側で、誰かが負担を強いられる構造をどう解決するのか、社会全体で考えるべき課題となっている。

