2025年12月に閣議決定された「人工知能基本計画」の内容が改めて注目されています。「信頼できるAI」を中心概念に据え、「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目標としていますが、実現に向けた課題も多く指摘されています。
目次
人工知能基本計画の概要
政府が策定した人工知能基本計画は、日本のAI政策の基本方針を定めたものです。主な目標として以下を掲げています。
- 「信頼できるAI」の開発・普及を通じた社会課題の解決
- 「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」の実現
- AI関連産業の国際競争力強化
- AIの安全・安心な利用のための規制・ガバナンス整備
「信頼できるAI」とは
計画が掲げる「信頼できるAI」とは、安全性・透明性・公平性・プライバシー保護などの要件を満たしたAIシステムのことです。
EUが2024年に施行した「AI法」と同様の考え方を取り入れつつ、日本独自の産業振興との両立を図る方針です。
課題と懸念
大和総研の分析によると、計画の実現には以下の課題があります。
汎用基盤モデルの遅れ:ChatGPT(OpenAI)やGemini(Google)のような大規模言語モデルの開発において、日本企業は米中と比べて大きく遅れています。
計算資源の偏在:AI開発に必要なGPUなどの計算資源が一部の大企業に集中しており、スタートアップや研究機関が十分に活用できていません。
民間投資規模の差:米国や中国と比べ、日本のAI分野への民間投資規模は依然として小さく、競争力の差が広がる懸念があります。
今後の取り組み
政府は計画の実現に向け、AI研究開発への公的支援拡充、計算資源の整備、人材育成などを進める方針です。また、G7などの国際的な場でのAI規制の標準化議論でも積極的な役割を果たすことを目指しています。
参考: 大和総研レポート(2026年3月3日)

