企業の法定雇用率をクリアするために、障害者を雇ったことにしておきながら、実際には外部の農園やサテライトオフィスに送り込む「代行」ビジネスが増えている。
本来、障害者雇用制度は企業内で働く環境を整備し、本業を通じて障害者が社会参加・経済的自立を実現するための制度だ。しかし実態は、雇用契約上の「雇用」と実働の場所が完全に乖離。企業側は障害者雇用義務を形式的に満たすだけで、当の障害者は本業と無関係な業務に従事させられている。
この「障害者雇用ビジネス」の仕組みは、仲介企業が利益を吸い上げ、障害者の給与は抑えられたままという二重搾取の構図になりやすい。障害者の職業訓練・スキル向上という本来の目的も失われている。
法定雇用率達成の形式主義に陥った企業と、それで利益を得る仲介業者。その狭間で、障害者の実質的なキャリアが蔑ろにされていないか。制度の抜け穴を埋める議論は急務だ。

