旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に対する解散命令が確定した。これまで被害者救済や組織解体を求める声が強かった中での決定だが、専門家からは「終わりではなく始まり」という指摘も上がっている。
解散命令の確定により、教団の法人格は失われることになる。しかし懸念は残る。第一に、すでに信者から吸い上げられた莫大な献金や資産の返還問題。教団は資産隠蔽の可能性も指摘されており、被害者への完全な補償が実現するかは不透明だ。第二に、解散後も活動を継続しようとする信者グループが存在する可能性。法人格の喪失だけでは、実質的な活動を完全に止めることは難しい。
さらに、信仰の自由との関係も問題になる。政治的圧力による宗教団体への規制という国際的な懸念の声も存在し、わが国が「信仰の自由を侵害する国」と見なされないかどうかも注視される必要がある。
被害者救済、資産返還、再出発の防止――複数の課題が同時に存在する状況で、今後の行政・司法の対応が試される。

