政府は法人の実質的支配者(真の経営者)を把握する新制度を導入する方針を固めた。脱税やマネーロンダリング、テロ資金対策の強化が目的だ。
現在、日本の法人登記制度では代表取締役や株主が記録されるが、複数の企業を経由した迂回出資や外国籍の大株主など、実際の支配構造が不透明なケースが少なくない。新制度では金融機関や税務当局が「本当の決定権を持つ者」を特定できる仕組みにする。
政府はこれにより、租税回避地を使った脱税や不正資金の流れを追跡しやすくなると見込む。OECD各国も同様の制度整備を進めており、国際的なスタンダードに日本も合わせる形だ。
ただし経済界からは「企業情報の過度な開示は競争上の不利につながる」「個人情報保護との兼ね合いが課題」といった懸念の声も上がっている。実施時期や具体的な報告義務の対象企業については、今後の詰めが必要になる。

