2025年、梨の旬を前に農家を襲った悪夢。5000個の大量盗難だ。
かつて会社を倒産に追い込むほどの盗難被害を受けたこの農家は、個人での再起を決意していた。絶望から立ち直り、再び梨作りに情熱を注いでいたはずだった。ところが、またしても大量窃盗に遭った。2度目の被害である。
「栽培辞めます」——農家の口からは、もはや絶望感しか伝わってこない。懸命に育てた実を、一瞬で盗まれる。この繰り返しに、农業を続ける希望は失われたのか。
梨の盗難事件は近年相次いでいる。高級果実という性質が、盗難被害を招きやすくしている側面もある。だが、ここまで執拗に同一農家を狙うケースは、ただの「窃盗」では済まされない。意図的なターゲティング、嫌がらせまがいの連続被害——背景に何があるのか。
農業で再起しようとした農家の夢。その一端を担うはずだった5000個の梨は、もう戻らない。このままでは、日本の農業を担う人材が、犯罪に蝕まれたまま消えていく。許されるべき状況ではない。

