27年前に発生した殺人事件で、すでに時効が成立しているにもかかわらず、遺族が加害者に対して損害賠償を求める動きが明らかになった。刑事責任は問えない状況下での民事請求という異例の対応が、法曹界でも議論を呼んでいる。
時効制度は加害者の更生の機会を守る一方で、遺族の救済を制限する仕組みとなっている。刑事では罪を問えなくても、民事では「不法行為」として賠償責任を追及できるという法の建前と現実のギャップが浮き彫りになった形だ。
遺族代理人は「刑事時効だけが全てではない。被害者の尊厳と遺族の心情を考えると、民事で償いを求めるのは当然」とコメント。一方で「加害者がすでに新しい人生を始めているなら、27年後の請求は酷ではないか」という懸念の声も出ている。
この事件は時効制度そのものの是非、そして被害者救済と加害者保護のバランスについて、改めて問い直す契機となるかもしれない。

