米国とサウジアラビア、UAE、カタールなど湾岸協力会議(GCC)加盟国が、ホルムズ海峡の通航料徴収計画に対して全面的に「ノー」を突きつけた。世界の石油輸送の約3分の1が通過する同海峡で、新たな通航料が導入される可能性はほぼ消滅した。
背景にあるのは、イランの経済的圧力戦略。同国が海峡を支配する地政学的優位性を武器に、周辺国に対して通航料の徴収を示唆していたとされるが、米国と湾岸盟国がこれを強硬に拒否。「国際海洋法に基づき、自由で無差別な通航が保障される」という立場で一致した。
イランにとっては、経済制裁で疲弊した国庫を補うための税収源喪失を意味する。一方、米国主導の対イラン戦略は強化される見通し。日本を含む石油依存国にとっても、エネルギー供給ルートの安定は確保されたが、中東の緊張は緩和せず、むしろ対立構造が深刻化する懸念が残る。
イランは次にどうでるのか。軍事的挑発か、それとも交渉か—地域の不安定さはこれからも続きそうだ。

