21日だけで少なくとも4人の農家が熱中症とみられる死亡事故で命を落とした。いずれも60代以上だ。
農水省の調べによると、過去10年間の年代別死者数は60代以上が全体の9割以上を占めている。高齢の農業従事者が烈日の中での作業に耐え切れず、毎年同じような悲劇が繰り返されている現状が浮き彫りになった。
農家の高齢化が進む中、一人で広大な農地を守らねばならない構造的な問題と、若い世代が農業を避ける現実が重くのしかかっている。自分のペースで作業できず、天候に左右される農業は、体力の衰えた高齢者にとって極めて危険だ。
農業は日本の食を支える仕事だが、その現場は労働環境の改善が遅れたままだ。官民一体で対策が急務とされているが、個々の農家が実行できる具体的な支援策はまだ十分ではない。こうした中での死亡事故の連続は、農業の持続可能性そのものを問う結果となっている。
高齢農家の安全確保、働き方改革、後継者育成――これらの課題に、本気で向き合う時はもう過ぎていないのではないか。

