米科学誌サイエンスと学術雑誌に掲載された論文の撤回を追跡する「リトラクション・ウォッチ」による共同調査で、中国人女児メイちゃん(6歳)が昨年、実験的な遺伝子治療を受けた後に死亡していたことが明らかになった。
死亡当時、この治療が命にかかわらない遺伝性疾患を対象としたものとされており、専門家からは治療の安全性と倫理的問題をめぐる厳しい指摘が相次いでいる。調査報告書では、治療開発の過程で十分なリスク評価や同意手続きが行われたかどうかが焦点となっているという。
遺伝子治療は未発達な分野であり、特に小児患者への適用には慎重な検証が求められる。今回の事例は、新興医療技術の開発加速と患者安全のバランスをめぐる国際的な議論を再び呼び起こしている。
同様の実験的治療がどの程度の規模で行われているのか、また各国の承認・監視体制の実態も問われることになりそうだ。

