スペイン政府が北アフリカ方面からの移民流入に対する強硬姿勢を打ち出した。モロッコに隣接するスペイン領セウタの国境沿岸に浮体式フェンスの設置を開始したのだ。
背景にあるのは深刻な人道危機だ。7月31日以降、陸路と海路から約5万人が押し寄せ、その過程で少なくとも67人が死亡している。うち4万8000人が海路での移動を試みたとされ、危険な越境の実態が浮き彫りになっている。
フェンス設置は物理的な障壁を作ることで、さらなる流入と死傷者増加を防ぐ狙い。しかし一方では、シリア難民やアフリカ経済難民など、生存戦略として越境を選ぶ人々の切実さも現実だ。
EUの周辺国であるスペインの決断に、人権団体と国防当局の意見は真っ二つ。フェンスで本当に状況は改善するのか、それとも新たな悲劇を招くのか——議論は続く。

