赤ちゃんが親に撫でられると気持ちが落ち着く——この当たり前の現象の仕組みが、科学的に明らかになった。東邦大学などの研究チームが、撫でられることで赤ちゃんの脳がどう反応するかを調べたところ、この落ち着きのメカニズムは、生後早い時期に母親や保護者との触れ合い経験によって発達するものであることが判明したのだ。
つまり、スキンシップは単なる親子のコミュニケーションではなく、赤ちゃんの神経系そのものを形成する発達の鍵となっていることを意味する。生まれたての時期に親からの適切な接触を受けた赤ちゃんほど、その後の人生で自らを落ち着かせる能力が高まるということだ。
逆に言えば、親子の身体的な触れ合いが不足すると、この調整メカニズムの発達に影響を与える可能性もある。保育園や施設での乳幼児ケアにおいても、スキンシップの質と量が問われることになりそうだ。
この研究は、乳幼児期の親子関係が、生涯にわたる自己制御能力や心身の安定性にどれほど重要か、改めて示す結果となっている。

