サイゼリヤのミラノ風ドリアやスシローの寿司。日本の消費者に支えられてきた「安くて美味い外食」の舞台裏が、いま大きく変わろうとしている。
かつて外食チェーンの海外進出は、国内で得た利益をもとに挑む成長投資という意味合いが強かった。しかし昨今の状況は異なる。海外での成功が国内戦略に直結し、国内の経営判断そのものが海外展開の方針に左右されるようになってきたのだ。
背景にあるのは、グローバル競争の激化と投資家からのプレッシャー。国内市場の成熟化が進む中、企業は国内利益を海外に振り向ける必要に迫られている。同時に、海外での利益拡大が企業価値を左右する時代になった。
その結果、どうなるか。国内の価格設定や商品戦略さえ、海外戦略に合わせて最適化される動きが見られ始めている。消費者が当たり前だと思ってきた「安さ」は、本当に守られるのか。経営優先で値上げが加速する可能性も指摘されている。
日本の外食産業は、いま経営戦略の大転換期にある。

