1ドル162円台――日本円が39年半ぶりの高値を記録した。円相場の歴史を揺るがすこの大きな動きは、日本銀行の金利政策転換が引き金となっている。
昨年まで続いた「超円安時代」(1ドル150円超)が急速に反転。日銀がマイナス金利解除と段階的な金利引き上げを進める中、海外投資家の円買い需要が一気に膨らんだ形だ。金利が上がれば、日本国債の利回りが高まり、日本円を買う理由が生まれる――この基本的なロジックが市場を支配し始めている。
問題は、この急激な円高が日本経済全体に与える影響の大きさだ。輸出企業(自動車・電機・素材産業)の利益は円高で圧迫される。一方、輸入品は安くなり、消費者には好材料だが、デフレ懸念も浮上する。インフレ対策として進めた金利引き上げが、今度は円高インフレを招く矛盾さえ起こりうる。
市場では「ここまで急速に動くなら、日銀は介入を視野に入れるべきでは」という声も出ている。39年半ぶりの局面――日本経済の針路を左右する転機となるのか、それとも調整局面で終わるのか。

