9歳のとき、母親が難病を発症した。それから約24年間、高岡里衣さんはケアラーとして母を支え続けてきた。
幼かったあの日、何が起きたのか。子ども時代をどう受け止めていたのか。その後の人生はどう変わったのか——初の著書『子どもでいられなかったわたし』で、その経験を言葉にした。
日本では、親や家族の介護・看護を担う「ヤングケアラー」の問題が注目されている。高岡さんのケースは、その代表的な事例だ。子どもの頃から大人の責任を背負い、学校生活や友人関係、進路選択にも影響を受ける。幸せな時間もあったという、その葛藤と現実を本の中で明かしている。
このような環境で育った子どもたちの心理状態や人生の選択肢は、親の病気を知らない子どもとはどう違うのか。社会的サポートの欠如は、今も続く課題となっている。

