中東情勢の不安定化により、エネルギー供給の多角化を急ぐ世界が、南米の新興産油国ガイアナに熱い視線を向けている。「南米のドバイ」とも呼ばれるこの国は、ここ数年で劇的な経済成長を遂行中だ。
アフリカとアマゾンの間に位置するガイアナは、かつて経済的には目立たない存在だった。しかし豊富な石油資源の発見と開発により、一気に国際的な注目を集めるようになった。中東の政治的リスク(イランへの制裁強化、イスラエル紛争の継続)に対するヘッジ先として、欧米や日本の企業が殺到している。
日本の大手企業も現地進出を加速させており、ガイアナはいま急速なインフラ投資と産業転換の只中にある。首都ジョージタウンではビジネス拠点の開設ラッシュが起きており、労働力不足から給与も急騰している。
問題は、急速な開発による環境負荷とインフラ整備のスピード感。アマゾンに近い地理的特性と、急激な人口流入による社会的混乱も懸念材料だ。ドバイのような砂漠の大規模開発とは異なり、ガイアナは熱帯雨林地域での開発となるため、環境負荷とのバランスが試される。
中東依存の脱却か、それとも新たなリスクの創出か。世界のエネルギー戦略の転換点は、このガイアナの成長にかかっている。

