懐かしさだけで数千億円規模の市場が生まれている。昭和時代のレトログッズ、懐かしアニメ、レコード、ファミコンなどが若い世代を中心に爆買いされ、経済全体を揺さぶり始めた。
業界分析によると、レトロ市場は年々拡大し、SNS世代(Z世代)が「新しいより懐かしい方が欲しい」と言い切る現象が加速している。なぜ、経験したことのない時代のものが若者を熱狂させるのか。
心理学者は「現在への違和感と退行欲望」と指摘。SNS疲れ、AI時代への不安、複雑すぎる現代社会への反発として、シンプルで完結していた「過去」に救いを求める傾向が強まっているという。百貨店やメルカリなどの二次流通では、入手困難な昭和グッズの落札価格が定価の5倍以上になるケースも。
懐かしさは、もはや感傷ではなく経済原理だ。新商品開発よりもレトロ復刻の方が売上が見込める時代―この現象、本当に健全な消費なのか、それとも社会への警告信号なのか。

