新米の価格が歴史的な安値まで落ち込もうとしている。農水省の予測では、今秋の新米相場が1俵(60kg)あたり3000円を割り込む可能性が高まっており、米農家の経営危機が現実化しようとしている。
供給過多の背景には、作付面積の拡大と天候に恵まれた作柄がある。一方で、消費は人口減少と食の多様化で年々低下。この需給ギャップが農家を直撃している形だ。
問題は価格だけではない。採算割れの状況下で、小規模農家を中心に離農・廃業検討者が急増。食糧自給率が既に低い日本で、農業人口がさらに減少すれば、将来の食糧安全保障に直結する危機となる。政府の農業政策が後手に回っているのではないかという指摘も出ている。
消費者にとっては安い米は朗報だが、その裏で日本の農業基盤が蝕まれている現実をどう見るか。単純な「値段が下がって得した」では済まされない構造的な問題が浮き彫りになっている。

